幼稚園バス置き去り事故、なぜ起きた?心が痛む…再発防止の徹底を!

また痛ましい事故が起こってしまいました。

静岡県牧之原市の幼稚園で3歳の女の子が送迎バスに置き去りにされてしまい、意識不明の状態で見つかりました。

その後、女の子は病院で死亡が確認されました。

幼稚園の送迎バスは幼稚園に到着し園児をおろした後、近くの駐車場に移動。

それから5時間以上経って帰りの準備をしようとしたときに社内に女の子が残されていることに気づいたとのことです。

この日は30度を超える暑さで、5時間にわたってバスに置き去りにされた女の子の死因は熱中症とみられています。

昨年にも同じような事故があったばかり・・・

幼い命が失われてしまったことに心が痛みます。

亡くなられたお子様のご冥福をお祈りいたします。

二度と起こってほしくない事故・・・

しかし、何故またこのような事故が起こってしまったのでしょうか・・・?

また、今後、同じような事故を防止するためにどのようにしていくのか・・・

真剣に考えていかなければならないと思います。

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静岡県の幼稚園のバス園児置き去りの事故、なぜ起きた?

子供のイメージ写真

今回の静岡県の幼稚園の事故の背景には次のようなことがあったようです。

  • この日は本来の運転手が休みで園の理事長がバスの運転手を務めていた。
  • バスには運転手の理事長と派遣社員の女性職員、園児6人の合計8人が乗っていた。
  • バスを運転していた理事長は、登園時、「降車をはっきり確認したか覚えていない」との話。
  • バスが園についたあと女性の職員は荷物を持ちながら小さい子から降ろして他の子には自分で降りるよう声をかけ、園に入ったとの話。

    それにしても、バスを降りた後に残っている園児がいないか確認出来なかったのか?

    しかも大人数なでもなく6人という園児の数を確認出来なかったのか?

    また、園での出欠確認確認をして登園していなことにどうして気づけなかったのか?

    どうしてもそんな疑問が湧いてきます。

    県によりますと、この幼稚園では園児の登園・降園を管理するシステムを導入していたということなのですが・・・

    この日、この幼稚園では不在のはずの園児が園のシステム上は登園したことになっていたことが分かっています。

    幼稚園に着いたときに、バスに乗っていた園児6人の降車を確認せず、専用タブレットなどを使って6人まとめて登園の入力手続きを済ませたとのこと。

    また、園のクラス担当者は欠席の連絡がないのに登園していない園児の所在を確認していませんでした。

    クラスの担任と副担任は女の子がいないことに気付いていたとのことですが、欠席と思い込んでしまったのか、アプリで状況を確認することはなかったとみられています。

    県の担当者によれば、

    「登園システムに入力する際、園児を個別に確認していれば1人いないことに気づいたはず。結果的に、降車確認もできていなかったことが推測される」

    とのことです。

    これはあってはならないことです・・・。

    バスの中での確認もそうですが、登園後の確認もされていないとなると、あまりにもずさんな管理と言わざるを得ません。

    優れたシステムも入力をする職員の過失により大きな事故になりかねませんから、日頃から職員の意識と行動には細心の注意を払って頂きたいと思いました。

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    園児のバス置き去り事故、なぜ起きる?考えられる要因は?

    園児のバス置き去り事故はなぜ起こってしまったのか・・・

    今回の静岡県の幼稚園に限らず、全国のどこの保育園や幼稚園でも起こる危険性がありますよね。

    事故が起こってしまった要因は次のようなものが考えられると思います。

     

    「慣れ」による怠慢・意識の欠如

    はじめは細心の注意を払っていても、毎日仕事を繰り返していく中で、「慣れ」が生じて安全に対する意識が欠如していくといったことは考えられると思います。

    経験を重ねることで良い意味でも悪い意味でも予測がつくようになったりすると確認を思わず怠ってしまう・・・

    どんな仕事でも同じですが、初心を忘れず、凡事徹底の精神で行動することを忘れてはならないと思いました。

     

    マニュアルの徹底不足

    数年前までこの園のバスの運転手を務めていた男性は、

    今はどうかわからないが、当時は幼稚園で子供を降ろすと、運転手が忘れ物や落とし物がないか車内を回って必ず確認し、掃き掃除をしてから駐車場に車を戻していました。運転席から見た場合、小さい子供が最後尾の席で寝ていたら気付かないかもしれないが、毎回見回っていたし、小さいバスだから子供がいれば必ず分かると思う

    引用元:FNNプライムオンライン

    と語っていました。

    しかし、今回バスを運転していた理事長は自身での確認も出来ておらず、またもう一人の職員が降車の確認をしていたかどうかも把握できていなかったようです。

    安全管理のマニュアルが職員全員に徹底されていなかったのかもしれません。

    その業務に普段から携わっている担当者はマニュアルを読んでいたと思いますが、自分の業務に関係のないところは目を通していないことも多いかもしれません。

    しかし、代理で普段とは違う業務に携わるにしても、その業務についてマニュアルの内容を確認しておくべきだと思いますし、マニュアル通りに確認をしていれば事故は防げていたと思います。

     

    深刻な職員不足

    世間では深刻な保育士不足が叫ばれているのも事実。

    待機児童の問題など毎年のように出てきていますね。

    実際に現場は人手不足が常態化しているそうです。

    人手が少なければ一人の職員に対する負担も大きくなります。

    忙しさのあまり、注意が行き届かなかい危険性もあります。

    保育士や幼稚園教諭の仕事に携わる人が増えてくれるといいですよね。

    これについては職員の待遇を見直すなど、国も対策を考えていってほしいと思います。

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    「安全管理の徹底」が通達されていたはずだが・・・

    2021年8月25日、厚生労働省と文部科学省は、

    【保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部における安全管理の徹底について】

    との書面を、各都道府県や市町村保育課等に通達していました。

    【子どもの出欠状況に関する情報について、保護者への速やかな確認および、職員間における情報共有を徹底すること】

    【登園時や散歩等の園外活動の前後等、場面の切り替わりにおける子どもの人数確認について、ダブルチェックの体制をとる等して徹底すること】  

    また送迎バスを運行する場合においても、【事故防止に努める観点から】として、

    【運転を担当する職員の他に子どもの対応ができる職員の同乗を求めることが望ましいこと】

    【子どもの乗車時及び降車時に座席や人数の確認を実施し、その内容を職員間で共有すること】

    引用元:週刊女性PRIME

    今回の事故は、園児の出欠に関する情報が正確に共有されていませんでした。

    タブレットへの入力時に確認を怠って正確に入力されていなかったようですが、他の職員も入力された内容と実際にいる園児の人数を確認していれば、一人いないことに気づけていたはず・・・

    一人では注意が散漫になる危険性もありますのでダブルチェック体制も含めて、ヒューマンエラーを少しでも防ぐ対策を徹底していく事が大事だと思いました。

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    園児のバス置き去り事故の再発を防止するために・・・

    家族と一緒に帰っている園児

    園児のバス置き去り事故・・・こんな痛ましい事故は二度と起こしてほしくないと願うばかりです。

    どうすれば事故の再発を防止できるのでしょうか・・・?

    これから国も対策を考えていくとのことですが、今回の事故を受けて著名人の言葉や報道から、再発防止対策の意見を紹介しながら、自分なりに思ったことを述べたいと思います。

     

    送迎バスのドアを開けっ放しにする

    タレントのヒロミさんは、日本テレビ系朝の情報番組「スッキリ」にスタジオ出演した際、今回の事故について、

    「送迎バスとかをロックしないようにして夏場とか、ドアを開けっ放しにしといた方が良いと思う」

    との意見を述べていました。

    隣にいたロバート・キャンベルさんも、

    「少なくとも窓を開けておくとかね」

    と語っていました。

    防犯上の問題もあるかもしれませんが、園の敷地内に駐車しているバスであるならば、園児の命を守ることを優先して、せめて窓を開けるということだけでも徹底しても良いと思いました。

     

    園児にドアの開け方、クラクションの鳴らし方を教える

    万一、園児が置き去りになってしまったときに、園児が自力で救助を呼べるような訓練もしておくと良いと思いました。

    バスのクラクションの鳴らし方、窓の開け方、ドアの開け方・・・

    園児が自力で救助の要請や脱出を試みれるように、普段から定期的に訓練を取り入れても良いのではないでしょうか?

     

    バスの安全・防犯対策機能の搭載

    小さなお子さんが窓を開けるなどの行為は、特に走行中などでは危険性もあるかもしれませんが、走行中は窓の開閉範囲が限定される機能など、バスの安全機能も搭載されていくなどするといいなとも思いました。

    また、

    • バスに緊急時に中から救助を呼べるような緊急ボタン
    • 中に人がいたら感知するような人感センサーの設置。
    • エンジン停止中に一定時間以上、人を感知する状態が続くようであれば担当者のスマホなどに緊急連絡が行くような機能
    • エンジン停止中に一定時間以上、人を感知したらバッテリーで自動でエアコンが作動する機能

    など、とにかく安全対策を向上できる機能・システムが搭載されていくといいなと思います。

    バスのメーカーもこういった機能の搭載に向けて技術開発を進めて頂きたいですし、国もこれを義務化していくような方針を考えて頂けるといいなと思いました。

     

    園児の置き去り防止アプリ「QRだれドコ」

    事故防止のための興味深いアプリの記事を見かけました。

    フルティフル合同会社が開発した園児置き去り防止アプリ「QRだれドコ」。

    このアプリは、園児の名札の裏などに入れておいたQRコードを保育者のスマホや保育園・幼稚園に設置されたタブレットで読み取ることで、保育園・幼稚園の管理者や保護者が園児の入園や園での活動を共有できる仕組みになっています。

    インターネットに接続されたタブレットやスマホがあれば、QRコードを印刷した紙を園児の名札の裏に入れるだけで利用可能で、システム自体も保育園・幼稚園であれば原則無料で利用できるとのことです。

    「QRだれドコ」には、新たに「バスモード」という機能が追加され試験運用も開始されているそうです。

    「バスモード」は、バスの乗降時に名札裏のQRコードを読み取ることで、各バス停で自動点呼しつつ乗車、園に到着後も自動点呼しつつ園児を降車させるしくみ。
    降ろし忘れの園児がいれば添乗者のスマホに注意メッセージが表示されるため、万一降ろし忘れが発生してもバスの運転士や添乗者がその場で気づく。さらに、バスに取り残された場合も含めて園児の入園、未入園状況が園にいる保育者全員で共有できる。また、保護者は自分の子供の状況をスマホやパソコンで常に確認できる(園からの許可とシステムへのログインが必要)。

    引用元:ロボスタ

    バスモードでは、保護者から園へ急なお休みの電話が入ったとき、パソコンの画面で該当する園児の乗車予定のチェックボックスを変えることにより、現在走行中のバスに自動で登園者の変更が伝達される仕組みで、各バス停で誰が乗る予定なのか、お休みの園児がいるのかといった詳細な情報を添乗者が常に把握できるとのことです。

    職員による過失を防ぐ補助となるシステムの導入は早期に取り入れて行って頂きたいと思います。

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    再発防止の為にマニュアルの整備と徹底を!

    今回、幼い命が失われてしまうという痛ましい事故が起こってしまいました。

    私も子供がいますので、このような事故を目にするのはとても心が痛みます。

    昨年にも同じような事故があり、「再び同じような事故は起こさない」と職員の意識や行動の再確認、対策の強化をしてきてい保育園や幼稚園も多いと思います。

    それでも起こってしまったのは、職員の確認不足、ずさんな管理体制によるもの。

    国も、内閣府文部科学省厚生労働省がしっかりと連携をして、認定こども園における重大事故の発生防止のために具体的にどのようなことができるか検討を行っていくとのこと。

    安全対策のためのシステムの導入はもちろんのこと、マニュアルの再整備、そして全職員への徹底とチェック体制など、早期に検討していってほしいと思います。

    二度と同じような事故が起こらないことを願っています。

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